ウレタンフォーム
エアロン
1.エアロンとは
(1)エアロンについて
エアロン(アキレス)とは、英国ICI社とアキレス社との技術提携により、昭和37年に商品化したポリエーテルタイプのウレタンフォームです。現在これはアキレス社が生産・販売をするポリウレタンフォームの商品名です。
アキレス社は、各用途にマッチする様々な商品を開発しており、家庭用品・生活雑貨から車両資材、産業資材に至る広範囲に活躍しています。上記各分野でも幅広い用途での採用実績があり、エアロンの機能性は実証されていると言えるでしょう。
特に、独特の特徴を持つ多彩な製品群は「製品の魅力を増す、最適素材が選べる」と多くのお客様から好評をいただいております。
①エアロンの特徴について
エアロンは、エーテル系のウレタンフォームです。基本的な物性や特徴はエーテル系ウレタンフォームに準じますが、これまで説明した以外にもエアロンの特徴としては下記のようなものが挙げられます。
エアロンは軽く、柔軟性に富み、優れたクッション性、保温性、緩衝性、吸音性など、いろいろな特徴を揃えた微細セル構造の発泡体です。
裁断、切削、打ち抜き、プロファイル加工、熱圧縮成形、接着などいろいろな加工が容易にでき、さまざまな用途にお応えできるよう、軟質から半硬質タイプまで、数多くの製品を取り揃えております。
特注によるオーダー品も生産し、各種色物も取り揃え、さらに一般のカット製品、ロング製品、あるいは種々の特殊形状品も対応可能なことから加工面での優位性が図れます。
②エアロンの種類と用途について
エアロンには様々な種類のウレタンフォームの取り揃えがございます。下記にその種類と用途についてご紹介します。
種類 | 品番 |
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用途 | |
特徴 | |
低反発フォーム | RFD・RZD・RKS・RZU・RFA・TB-RGS・OGA ※OGAだけは中反発ウレタンフォームです。 |
まくら、マットレスなどに | |
まくらやマットレスなどでもおなじみの低反発ウレタンフォームでは、反発弾性が15%未満のものをいいます。 アキレス社では1976年に生産導入を図り、以来、用途として戻り特性を重視した玩具用に、衝撃吸収性能を利用した農業用、吸音性や制振性能を利用した自動車用や新幹線の部材、感触やフィット性を必要とする寝具用など、その用途は多岐にわたっています。 |
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高弾性(高反発) フォーム |
KI・ZF |
スポーツ用品・玩具・マットレス・寝室・インテリアなどに | |
低反発のじんわり沈み込む感覚とは反対の高弾性フォームは、押し戻す力が強く、圧縮後に復元しやすくヘタりにくいのが特徴です。 通常、反発弾性が50%以上のものが高弾性フォームであり、その弾む力を利用して、ボールなどのスポーツ用品・玩具や、マットレスなどの寝具・インテリアなどで使用されています。 |
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色彩(イロドリ) フォーム |
DK・HD |
多彩な配色の製品に | |
フォームに顔料を添加することで、様々なカラーのウレタンフォームを展開することができます。 白や黄色だけでなく、ピンク・グリーン・ブルー・ブラックなど多彩なカラーを取り揃えております。 |
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低帯電フォーム | EHM・EOL・EJL |
電子機器の梱包資材やシリコンウェハー用梱包資材に | |
ウレタンフォームは裁断加工時などにわずかな静電気を帯びますが、帯電防止剤を添加することにより、フォーム裁断時の埃の付着やフォーム同士のくっつき合いがなく、裁断加工が容易になります。 帯電防止性能を高め、電子機器梱包資材や、シリコンウェハー用梱包材として利用されています。 |
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高伸張フォーム | FFK |
腰椎ベルトやサポーターに | |
ゴムのように伸張性に富みながら、連続気泡体なので通気性も併せ持ちます。生地とラミネート加工し、腰椎ベルトやサポーターなどに使用されています。 | |
親水性フォーム | IM・JM・FM |
水耕栽培や野菜の鮮度保持に | |
夏場の寝具に使用されるジェルパッドなどに ウレタンフォームは一般に疎水性ですが、親水性フォームは吸水性や保水性を有するウレタンフォームです。水を即座に吸水し、吸収しながら膨張することで保水性能を持ち、水耕栽培や野菜の鮮度保持あるいは、夏場の寝具用途などで使用されるジェルパッドにも採用 されています。 | |
スーパーソフト/スーパーハード/半硬質 | AEY・OY・EY・HK・PE・SSH・ZP |
あらゆる強度が求められる製品に | |
ウレタンフォームは、原材料の配合や添加剤を加えることで様々な特殊機能を持つフォームが製造可能です。その中でも硬さに特化したフォームとして、より軟らかいスーパーソフトや、より硬いスーパーハード、半硬質などがあります。 | |
低通気フォーム | RKA・PPK |
車両のボンネットに | |
ウレタンフォームのような多孔質材料に音波が入射すると、その空気振動が直接材料内部の隙間や気泡部分の空気に伝わります。その際、薄膜の気泡壁に当たると膜面が振動して、音のエネルギーの一部が熱エネルギーに変換され、吸音作用を生じます。 耳障りな低周波数領域である1000Hz以下、特に500Hz前後の吸音を重視し、建機用車両のボンネット等で使用されます。 |
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難燃フォーム | NA・NH・NL |
難燃素材として | |
火が付きにくい、火がついても燃え広がりにくい、マッチのような小さな火源(炎)を取り去ると炎が自然に消えるなどの特徴を持ち合わせたフォームです。燃焼試験方法はその用途に応じて異なりますが、各種用途に応じたフォームを取り揃えています。 | |
マーブルフォーム | LP・LF・LG |
密度や硬さを自在に調節できます。寝具やインテリア商材に | |
マーブルフォームは、製造工程で発生する軟質ウレタンフォームの端材を細かく粉砕して、特殊接着剤を噴霧・混合したあと、圧縮成形した再生品です。 ゴミを出さない、再利用できるという利点だけでなく、細かく粉砕したウレタンチップを固めることで強度が増し、しっかりとしたウレタンフォームになります。 成形条件により密度や硬さの調節ができます。寝具・インテリア商材によく利用されています。 |
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クリーンフォーム (CO2発泡) |
PRTR法、大気汚染防止法等で大気中のVOCが規制(自主的削減も含む)され、ウレタンフォーム工業会ではジクロロメタンを自主管理規制物質として削減に取り組んでおります。 液果炭酸ガスは、地球上に多く存在する炭酸ガスを再利用していますので、環境にやさしい発泡剤システムです。 |
2.エアロンの加工について
弊社では、エアロンを用途に応じた形状に加工することが可能です。裁断加工 | 材料を二次元形状に加工することができます。正方形や長方形などの直線的な形状に裁断することは可能です。 |
プレス加工 | クッキーを型で抜くように、打ち抜き型を用い、任意の形に加工することが可能です。 裁断加工ではできない複雑な形状の場合、このプレス加工により材料を加工いたします。 この加工方法では、型費が別途必要となります。 |
熱圧縮加工 | 高熱をかけた鉄板でウレタンフォームをプレス(圧縮)する加工です。 これによりウレタンフォームを元の厚みよりも薄く加工できます。 また、ウレタンフォームの熱硬化特性を利用し、金型を用いて任意の形状に成形することができます。 →熱圧縮ウレタンフォームについてはこちら |
プロッター加工 | プレス加工では対応しきれない複雑な形状や、ロットが少ない場合、プロッター加工にてご対応させていただきます。 この加工方法では型費は必要ございません。 ※大ロットの場合は打ち抜き加工でのご対応となる可能性がございます。 ※材質によってはプログラミングカッターでの加工が難しい場合がございます。 つど営業担当者にご相談ください。 |
粘着加工 | 材料に粘着を施す加工です。 粘着加工をすることで、材料を何かに貼りつけることができるようになります。 また、異素材同士を貼り合わせることもできます。 |
貼り合せ加工 | 接着剤を用いて材料同士を接着することができます。同じ材料や違う材料同士の接着も対応しております。 異素材を積層することで、一定の機能性を付与することができます。 また、両面テープの品揃えもございますので、材料の片側ないし両側に両面テープを貼り付ける加工も可能です。 |
ホットメルト | 熱可塑性樹脂を用いた接着方法です。 熱で溶かした樹脂を接着剤として使用し、素材同士を貼り合わせることができます。 こちらも粘着加工と同様に、異素材同士を貼り合せる加工や、積層することが可能です。 接着剤や両面テープなどを使用しないため、VOCが気になる場合や、環境面に配慮する場合は、ホットメルトによる接着をご提案させていただきます。 |
切削加工 | NCマシニング加工、フライス加工により中ぐり、フライス削り、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げなど多種類の加工ができます。 CADデータをいただくことで上記加工が実施できます。 トムソン型やプロッターでの対応が難しい複雑な形状をご希望の場合、こちらの加工方法にて作製いたします。 |