ゴムスポンジ
タフロング
目次
1.タフロングについて 2.タフロングとゴムスポンジについて |
1.タフロングについて
タフロングとは、岡安ゴム株式会社が開発・製造・販売している、ゴムスポンジの長尺シート品です。止水材、緩衝材、隙間テープや滑り止め、遮音等、幅広い用途で実績がございます。EPDMゴムスポンジと同様の物性を示します。
低圧縮での優れたシール性、断熱性、クッション性など、あらゆる場面でお客様の要求性能にお応えできます。以下タフロングの特徴について解説します。
1)タフロングのグレードと特徴
低圧縮での優れたシール性、断熱性、クッション性など、あらゆる場面でお客様の要求性能にお応えできます。
①タフロングES5
特徴・両面被膜で撥水性がある
・長尺(10M巻)が標準
・加工効率が優れている
・低圧縮での止水が可能
・難燃規格(UL-94HBF・FMVSS302)に適合
タフロングES5は、マイクロセルに比べてセル径が大きいため軟らかいです。
40%圧縮で止水が可能となります。
断熱性能は、マイクロセル10と同等ではありますが、価格はタフロングの方が安価です。
製品仕様
・材質:独立気泡EPDMゴムスポンジ
・形状:シート状
・有効幅:1000㎜
・厚み(㎜):2,3,4,5,8,10,15,20
・1巻長さ:標準10m巻
②タフロングES5 グレー・ブラウン
タフロングES5のカラーバリエーションです。豊富な色と厚みのバリエーションを取り揃えております。
特徴
・両面被膜で撥水性がある
・長尺(10M巻)が標準
・加工効率が優れている
製品仕様
・材質:独立気泡EPDMゴムスポンジ
・形状:シート状
・有効幅:1000㎜
・厚み(㎜):3,5,10,15
・1巻長さ:標準10m巻
③タフロングマイクロセル
独自製法による両面被膜・独立気泡・長尺を特徴とした幅広スポンジです。低圧縮での優れたシール性、断熱性、クッション性など、あらゆる場面でお客様のご要望にお応えします。タフロングES5よりも耐久性が必要な場合は、こちらのタフロングマイクロセルをご使用ください。
特徴
・両面被膜で撥水性がある
・長尺(10M巻)が標準
・加工効率が優れている
・低圧縮での止水が可能
・難燃規格(UL-94HBF・FMVSS302)に適合
マイクロセルは、セル径が小さいです。
タフロングとマイクロセル10は、同じ密度であるが、マイクロセル10は発泡密度の割には硬いです。
20%圧縮で止水が可能です(低圧縮で止水が可能な商品です)。
マイクロセル10と20なら、10の方が低下中で止水が可能です。
マイクロセル10と20では、マイクロセル10の方が発泡剤が多く、膨らみます。
製品仕様
・材質:独立気泡EPDMゴムスポンジ
・形状:シート状
・有効幅:1000㎜
・厚み(㎜):3,5,10,15
・1巻長さ:標準10m巻
④タフロングタフシート
独自製法による両面被膜・独立気泡・長尺を特徴とした幅広スポンジです。低圧縮での優れたシール性、断熱性、クッション性など、あらゆる場面でお客様のご要望にお応えします。軽量化を図りたい際に、このタフロングタフシートが最適です。
特徴
・両面被膜で撥水性がある
・長尺(10M巻)が標準
・加工効率が優れている
・低圧縮での止水が可能
タフシート25は、40%圧縮推奨です。
タフシートは硬いので、戻ろうとする反発力が、他のグレードに比較して大きいです。
製品仕様
・タフシート25
・材質:独立気泡EPDMゴムスポンジ
・形状:シート状
・有効幅:1000㎜
・厚み:1.5,2
・1巻長さ:標準10m タフシート50
・材質:独立気泡EPDMゴムスポンジ
・形状:シート状
・有効幅:500mm
・厚み:0.5,1
・1巻長さ:標準10m
⑤その他特徴について
タフロングES5とマイクロセル10は、熱伝導率は同じです。タフロングES5とマイクロセル20では、マイクロセル20の方が比重が重いため、熱伝導率が良いです。
※空気層が多いと熱が伝わりにくく、厚みが厚いと空気層が多くなり、熱が伝わりにくいです。
※厚み、長さなどグレードごとの製品仕様・規格につきましては、弊社営業課までお問い合わせください。
※グレードによっては、厚みを特注にて対応できる場合がございます。
2)タフロング用途について
①タフロングES5(家電)
・用途事例:家電製品・用途:衣類乾燥機の気密パッキン
②タフシート50(自動車)
・用途事例:自動車外装部品・用途:オーバーフェンダー部緩衝材
③タフロングES5(エネルギー分野)
・用途事例:太陽光パネル・用途:緩衝材
④タフロングES5(業務用家電)
・用途事例:自動販売機・用途:ボタンの止水材
3)タフロングの加工について
裁断 | ゴムスポンジは一般的にシート状で供給されますが、必要な形状やサイズにカットすることができます。 裁断はバーチカルカッターやスーパーカッターなどを用いてご希望の寸法に加工します。 |
成形 | ゴムスポンジは成形されて特定の形状に成型することができます。 成形は加熱と圧縮を使用して行われ、特定の形状や寸法に合わせて製品を作成します。成型形状によっては金型が必要になります。 |
押出成形 | ゴムスポンジは押出成形によって、特定のプロファイルや形状に加工することができます。 ゴム材料が加熱され、押し出し口から押し出され、押出金型の形状で冷却され形状を保ちます。 |
接着 | ゴムスポンジは他の素材や表面に接着することができます。 接着剤や接着テープなどが使用され、必要な箇所にゴムスポンジが取り付けられますが一般的にゴムスポンジは両面テープがつきにくい材料になります。 ゴムスポンジに含まれる可塑剤が溶け出し粘着を劣化させるため、耐可塑剤入りの両面テープもご用意しております。 |
プレス加工 | ゴムスポンジはプレス機によるプレス加工が可能です。 トムソン型やピナクル型を用いて必要な形状にプレス加工ができます。 |
表面処理 | ゴムスポンジの表面に、塗装、コーティング、切削、エンボス加工などの処理を施すことができます。 これにより、特定の外観や機能性を与えることができます。 |
2.タフロングとゴムスポンジについて
以下、タフロングとはどのような特徴があるのか、そもそもゴムスポンジとは何かを解説します。1)ゴムスポンジについて
ゴムスポンジとは、原料のゴムと架橋剤・有機発泡剤・軟化剤・補強剤などの材料を混ぜて、膨らませたもののことを指します。ほとんどのゴムスポンジは独立気泡構造で、硬さはC硬度計などを用いて硬度で表し、主原料となるゴムの種類によってゴムスポンジの持つ特徴が異なります。
軽量で強靱な材質の特長を活かし、車両・OA・土木建築・包装・スポーツなど、幅広い産業分野で用いられています。最近はとくに、先端技術に対する応用がクローズアップされ、用途が拡大しています。NR、CR、EPDM、NBR、シリコンゴムなど様々な種類があり、材質により耐油性、対候性、耐熱性などの性能が異なります。
2)ゴムスポンジの特徴
①NRゴム(天然ゴム)
天然ゴムやスチレンブタジエンゴムが主成分で他のゴムスポンジより比較的安価な材料です。機械的強度や反発弾性、耐摩耗性に優れますが、耐熱性、耐オゾン性、耐候性、耐油性には劣ります。天然ゴムの用途としては、トラックやバスなど大型車両のタイヤや輪ゴム、手袋、風船などにも使用されています。ゴムスポンジとしては耐候性や耐油性、耐熱性に劣るため工業用途で使用されることは少ない材料となります。
②CR系ゴム(クロロプレン系ゴム)
CR系ゴム(クロロプレンゴム)は、1930年代にデュポン(DuPont)社の科学者ウォレス・カロザースによって開発された合成ゴムです。当時世界初の合成ゴム、ネオプレン®(Neoprene)は耐候性、耐薬品性に優れ、特に耐熱性に優れた素材として注目されました。ゴムスポンジは一般的に耐油性に劣りますが、CR系ゴム(クロロプレンゴム)は比較的耐油性に優れるため潤滑油や燃料などと接触するような部品でも使用が可能です。
この特長から自動車部品や機械部品でも広く使用されています。
③NBR系ゴム(ニトリル系ゴム)
NBR系ゴム(ニトリル系ゴム)はアクリトニトリルとブタジエンの共重合物で、耐油性を特長とするゴムです。アクリルニトルとブタジエンの比率を変化させることで物性を変化させることが可能です。アクリルニトルの含有量が増えると耐油性や耐熱性、引張強さ、耐摩耗性に優れますが、少なくなると劣ります。
一方でアクリルニトルの含有量が少ないと耐寒性や反発弾性に優れるという特徴を持っています。
これらの特長を活かし自動車部品や工業用パッキンなどのオイル回りの製品に多く用いられています。
しかし、紫外線に弱いため使用環境を考慮したうえでの材料選定が重要となります。
④SI(シリコーンゴム)
シリコーンゴムは他の材料と比較して耐寒性や耐熱性、耐候性に優れる材料です。200℃以上の環境下でも特性に変化がなく使用することができるため他のゴム材料では耐えられない高温環境下で使用する製品に適しています。
一方で機械的強度や耐摩耗性に劣ります。また、シリコーンゴムにはシロキサンという物質が含まれています。
シロキサンの沸点は高いのですが、沸点以下でもガス化しやすい特徴を持っているため発生したガスによってフォギングが発生する原因となります。
さらにガス化したシロキサンは絶縁性を持っているため電子部品で使用すると絶縁不良の発生原因となるため、材料選定時に考慮する必要があります。
⑤EPDMゴム
EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)ゴムスポンジは、エチレン、プロピレン、ジエンモノマーなどから合成されるゴムであり、発泡させてスポンジ状にしたものです。EPDM(エチレンプロピレン系ゴム)は耐候性、耐熱性、絶縁性、防水性などの特性を持つ合成ゴムであり、これらの特性はEPDMゴムスポンジにも適用されます。
EPM(エチレンプロピレンゴム)に対して硫黄加硫を行なうために、ジエンを共重合させたものがEPDMゴムスポンジになります。
タフロングは、このEPDMゴムスポンジに分類されます。