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ソフトプレン工業株式会社

Material取扱材料

ポリエチレンフォーム

セルダンパー

セルダンパー

1.セルダンパーについて

セルダンパーとは、あらゆる振動の低減を目的に、防振材として開発した発泡ウレタンエラストマーです。
従来の発泡品では得られなかった優れた防振特性と、シリコーンや硫黄を含まない低環境負荷のクリーンな素材は、幅広い分野にてご使用いただけます。
また、お客様の多様なニーズに対応するために、スタンダード5タイプの品揃えで、様々な厚み、形状に加工可能です。



【1】セルダンパーの特徴
セルダンパーは、発泡ウレタンエラストマーを使用し、優れた防振特性と低環境負荷を実現した素材です。
ウレタンエラストマーとは、弾性を有するポリウレタンを意味します。加硫ゴムに近い特性を示し、弾性力・機械的強度・低温特性・耐摩擦性・耐候性・耐油性に優れています。
このような特性を持つウレタンエラストマーを発泡させることにより得られたのが、セルダンパーとなります。

下記にセルダンパーの特徴を示します。


(1)振動吸収性
セルダンパーの振動吸収性について

優れたダンピング効果により、振動を低減することができます。 セルダンパーの振動吸収性について

(2)低圧縮性・耐久性
圧縮永久歪が小さく、長期にわたり安心して使用可能です。
また、セルダンパーは耐久性にも優れています。
下記グラフは従来品(防振マット)との比較です。
従来品は3000kg/枚の荷重(2.7N/㎠)を24時間連続してかけると防振性能が低下しています。
その一方、セルダンパーは長期にわたり防振性能を維持しています。


セルダンパーの振動吸収性について
(3)非汚染
シリコーンを含まずクリーンな素材です。
また、硫黄を含んでいないため、ゴム臭もありません。
臭いの気になる場所でも使用可能です。


(4)難燃性
各種分野の難燃規格をクリアしています。

(5)耐熱性
熱に対しては80℃まで耐熱性があります。


【2】製品ラインアップ
セルダンパーには下記5種類のグレードが存在します。
・BF-150
・BF-300
・BF-400
・BF-500
・BF-700
物性値については下記表をご覧ください。


項目(単位) BF-150 BF-300 BF-400 BF-500 BF-700
見かけ密度(kg/㎡) 150 300 400 500 700
許容面圧(N/㎠) 3.5 10 20 35 75
静ばね定数(N/㎜) 65 150 500 860 2000
動ばね定数(N/㎜) 250 650 800 1800 3800
圧縮残留ひずみ(%) 3 3 3 3 3
引張強さ(kPa) 900 1200 1600 1900 2900
伸び(%) 190 200 190 190 180
引裂き強さ(N/cm) 40 60 80 110 180

※上記数値は実測値であり、保証値ではありません。


材料サイズは下記の通りです。
項目(単位) BF-150 BF-300 BF-400 BF-500 BF-700
サイズ(mm) 500x1000 500x1000 500x1000 500x1000 500x1000
厚み(mm) 0.5-50 1.5-50 3.0-50 3.0-50 3.0-40

※ご要望に応じて各サイズに対応 難燃性能
規格 BF-150 BF-300 BF-400 BF-500 BF-700
FMVSS
No.302
ASTM E662 - - -
BSS 7239 - - -

クリーン性能
  検出限界 BF-150
硫黄(ppm) 10 未検出
ジメチル環状シロキサン(D3-D12)(ppm) 0.1 未検出
ハロゲン(F,Cl,Br,I)(ppm) 50 未検出

許容圧縮率
圧縮率 上限値
静的許容圧縮率 15%
動的許容圧縮率 25%、静的+動的、短時間であれば40%まで可能

繰返圧縮残留ひずみ
試験方法:5Hz、15%圧縮、10万回
  BF-150 BF-300 BF-400 BF-500 BF-700
繰返圧縮残留ひずみ(%) 2 2 2 2.5 2.5

許容面圧 標準グレードのBF-150は、0.7㎥クラスの油圧ショベル(20t)まで対応可能です。
1.2㎡クラスの大型油圧ショベル(30t)には、BF-300で対応いたします。
また、許容荷重範囲内であれば、発電機など静置する基材向けに連続使用が可能です。
  BF-150 BF-300 試験方法
密度(kg/㎥) 150 300 JIS
K6400
許容面圧(N/㎠) 5 10 -
許容荷重(Kgf/㎡) 5100 10200 -

【3】セルダンパーの用途について
最新のポリマーテクノロジーを生かして開発したセルダンパーは、防振性、難燃性、低クリープ性能が特徴です。従来の発泡品では得られなかった優れた特性により、発電機や重機などの使用時に鉄板と地面の間に敷くだけで大幅に振動を低減できます。
セルダンパーは、上記のような防振マットとしての側面だけでなく、様々な産業用途で活用されています。
下記にセルダンパーの用途事例をご紹介します。


(1)土木関連
振動に対する環境保全が必要な住宅街や病院、精密機械工場等に近接した土木工事、建設工事の振動対策品として使用されています。
・建設工事での防振
→マット状に加工したセルダンパーを建設重機の防振材として使用しています。

・建設機械への防振
→小さくカットしたセルダンパーを発電機の足部分に敷くことで、建設機械への振動対策として使用しています。

油圧ショベルの走行時振動で、約10dB、あおりなどの動作時の振動で約6dBの振動軽減が可能です。
こうした部分にセルダンパーを導入する際のメリットとしては、仮設が可能な点と、耐久性が高いため、従来の防振マットよりも薄い厚みで同等性能が発揮できる点があります。

対象機械
→油圧ショベル、ダンプトラック、コンクリートミキサー車、自走式スクリーン、発電機


(2)建築・建材関係
建物内における振動個体音への対策として使用します。従来のコイルスプリングによる対策と比較すると施工性に優位で、防振性能も優れています。
またコンクリートの目地材としても活用されている事例がございます。

・建物の防振としてヘリポート、音楽スタジオ、ジム、駐車場・駐輪場などに使用されています。
用途実例:屋上ウッドデッキ・ヘリポート・立体駐車場・風力発電・ターンテーブル

・屋上防振関連
建物の屋上は風が強く、機械類が揺れるため振動対策が必要な箇所です。
風力発電・太陽光発電・屋上緑化ウッドデッキなどの環境関連製品の防振対策としてセルダンパーが使用されています。
防振設計の自由度が高く、また従来品のゴムとも比べて防振性能が高い点にメリットがあります。
用途例:屋上ウッドデッキ、風力発電、太陽光パネル架台、屋上ゴンドラレール、避雷針

・ビル・マンションへの振動伝達防止
立体駐車場(湿式浮床工法)のVE提案
従来のゴムよりも防振性能が高いため、湿式浮床工法からのVEによるコスト削減実現しました。
用途例:水平型立体駐車場、タワー型立体駐車場、ターンテーブル
高性能湿式浮床工法用途例:地下鉄ボックスカルバート、フィットネススタジオ床、シアタールーム床

・点字ブロック目地材として
駅ホームの展示ブロックの目地にて、セルダンパーを使用することで、施工期間が従来の半分に短縮することができました。
従来品との比較:繊維系目地材+シリコーンコーキングでは、コーキングが乾くまでに2日間の工事が必要だったところを、セルダンパーを使用することで、1日で工事を完了させることができました。
施工実施駅:新今宮駅、京橋駅、三ノ宮駅、天王寺駅、神戸駅、京都駅


(3)機械・機器設備関連
振動が発生する様々な機器への防振、振動対策が可能です。
・振動が発生する機器の防振
→MRI等の振動発生機器の防振
その他にも工作機械、発電機、トランス、コンプレッサー、油圧プラント等の防振として使用されています。
用途実例:MRI・トランス・発電機・油圧ユニット

・振動が発生する機器防振
振動発生機器の防振(機械→建物、建物→機械への振動低減)を目的にセルダンパーが使用されています。
海外品からの切り替えにより、性能向上とコスト低減を実現しました。
用途例:トランス、ポンプ・配管、クーリングタワー、油圧ユニット


(4)自動車・鉄道・その他
優れた防振特性、耐久性により、自動車用途やその他の分野で幅広く採用されています。
・低アウトガス・省スペースでの衝撃吸収
→HVバッテリー緩衝材、天井緩衝材、ピラー緩衝材、ドア周り緩衝材等として使用されています。
使用部位 機能 選定理由
HV電池ユニット 防振 シロキサンフリー・防振性能
天井内部 緩衝 省スペース・低圧縮歪・VOC・臭い
ピラー内部 緩衝 省スペース・低圧縮歪・VOC・臭い
ドア 緩衝 高硬度・VOC・臭い
急速充電トランス 防振 防振性能

・省スペースでの振動・衝撃からの保護
→HDDダンパー(衝撃吸収)、リレー(防音)
接点障害要因のシロキサン・硫黄フリーのため下記のような箇所にもセルダンパーが使用されています。
使用部位 機能 選定理由
リレー 防音 シロキサンフリー
HDDダンパー 衝撃吸収 シロキサンフリー

・鉄道の防振
→枕木パッド、軌道パッド
用途実例:ドアまわり緩衝材・天井緩衝材・軌道パッド・電池ユニット防振・枕木パッド

・製品輸送
製品輸送時にセルダンパーが使用された実績がございます。
大型・重量物の輸送時の防振としてセルダンパーが使用されています。
繰り返しての使用が可能なためコスト低減を実現できました。
ハウスメーカー様、製紙メーカー様、ガラスメーカー様にご使用いただいた実績がございます。

※セルダンパー使用上のご注意
①必ず許容荷重範囲内でご使用ください。製品が潰れた状態では、防振効果を発揮できません。
②重機のバケット等で直接セルダンパーに触れないでください。傷つき、破損の原因となります。
③必ず敷鉄板の下に置いてご使用ください。
④凹凸のある地面、斜面でのご使用はお控えください。
⑤油圧ショベルの動作などで荷重が一部に集中すると、防振効果が弱まることがあります。
⑥本製品は不燃材ではありません。敷鉄板の溶接作業などを実施される際は特にご注意ください。



【4】セルダンパーの加工について
当社では、セルダンパーを用途に応じた形に加工することが可能です。
・裁断加工
材料を二次元形状に加工することができます。正方形や長方形などの直線的な形状に裁断することは可能です。

・プレス加工
クッキーを型で抜くように、打ち抜き型を用い、任意の形に加工することが可能です。
裁断加工ではできない複雑な形状の場合、このプレス加工により材料を加工いたします。
この加工方法では、型費が別途必要となります。

・プロッター加工
プレス加工では対応しきれない複雑な形状や、ロットが少ない場合、プロッター加工にてご対応させていただきます。

・粘着加工
接着剤を用いて材料同士を接着することができます。同じ材料や違う材料同士の接着も対応しております。
また両面テープの品揃えもございますので、材料の片側ないし両側に両面テープを貼り付ける加工も可能です。

・切削加工
NCマシニング加工、フライス加工により中ぐり、フライス削り、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げなど多種類の加工ができます。
CADデータをいただくことで上記加工が実施できます。
トムソン型やプロッターでの対応が難しい複雑な形状をご希望の場合、こちらの加工方法にて作製いたします。

以上のように、当社ではお客様のニーズに応じたグレードをご提案し、用途に見合った加工方法をご提案することができます。