ウレタンフォームについて
ウレタンフォームとは
ウレタンフォームとはポリオール類、ポリイソシアネート類、発泡剤、整泡剤、着色剤、その他配合剤の組み合わせたものです。ウレタンフォームはポリウレタンフォームからポリを省略して呼ばれています。ポリウレタンフォームはポリウレタン=ポリウレタン樹脂、フォーム=気泡(泡)の意味です。つまり、ポリウレタンフォームはポリウレタン樹脂の気泡(泡)で作られた発泡体を意味します。
ウレタンフォームは軟質(ポリ)ウレタンフォーム、半硬質(ポリ)ウレタンフォーム、硬質(ポリ)ウレタンフォームがあります。
ウレタンフォームの用途について
家具や寝具 | 快適なクッション性を提供するため、ソファやマットレス、クッションなどの家具や寝具に使用されます。 |
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自動車産業 | 自動車のシートやヘッドレスト、ドアパネル、内装材などに使用されます。軽量であるため燃費改善にも寄与します。 |
建築業界 | 建築材料の断熱や防音に使用されます。例えば、壁や天井の断熱材として使用されることがあります。 |
包装材料 | 商品の保護や包装材料として使用されます。剛性とクッション性があり、衝撃を吸収する能力があります。 |
スポーツ用品 | スポーツ用品のパッドや保護具、運動用マットなどに使用されます。衝撃吸収性が高く、スポーツ時の安全性を向上させる役割を果たします。 |
音響材料 | 音響材料としても使用されます。スタジオや劇場などの音響室において、音の反射や吸収を調整するために使用されることがあります。 |
ウレタンフォームの種類について

軟質ウレタンフォーム
軟質ウレタンフォームは、柔らかく弾力性があります。通常、開放セル構造を持ち、気泡が連続的に存在します。特徴 | 柔らかく快適な触感を提供します。 優れたクッション性と衝撃吸収性を持ちます。 柔軟性により、複雑な形状に適応できます。 |
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用途 | 家具のクッション材やパッド、マットレスなどの快適性を向上させるために使用されます。 自動車のシートやヘッドレストなど、乗り心地を良くするために使用されます。 スポーツ用品や医療機器など、クッション性や快適性が求められる製品に使用されます。 |
材料名 | ※材料名をクリックすると詳細のページへ移動します。 ・汎用ウレタンフォーム ・高弾性ウレタンフォーム ・超高弾性ウレタンフォーム |
半硬質ウレタンフォーム
半硬質ウレタンフォームは、中程度の硬さを持ちます。セル構造は部分的に閉じており、いくつかの気泡が閉じられた状態で存在します。
特徴 | 耐久性があり、一定の剛性を持ちます。 柔軟性と強度のバランスが取れています。 比較的軽量で、耐摩耗性に優れています。 |
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用途 | 自動車の内装部品やシートクッション、ドアパネルなどの製品に使用されます。 包装材料や断熱材など、保護や絶縁性が求められる用途に使用されます。 エレクトロニクス製品の衝撃吸収材や振動吸収材としても使用されます。 |
材料名 | ※材料名をクリックすると詳細のページへ移動します。 ・半硬質ウレタンフォーム |
硬質ウレタンフォーム
硬質ウレタンフォームは、クッション性がなく堅い性質を持ちます。セル構造は閉じられており、通常、連続的な気泡が存在しません。特徴 | 高い強度と剛性を持ちます。 耐久性があり、圧縮力に対して優れた保形性を示します。 熱絶縁性に優れています。 |
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用途 | 建築業界での断熱材や防音材として使用されます。 航空宇宙産業や輸送業界での構造部品やパネルに使用されます。 製造業での成型品や補修材料としても使用されます。 これらのウレタンフォームの種類は、異なる要件や産業に合わせて使用されます。硬質ウレタンフォームが最も堅く、軟質ウレタンフォームが最も柔らかいというように、用途に応じて適切なウレタンフォームを選択することが重要です。 |
ウレタンフォームの構造について

ウレタンフォームの発泡体は細かい気泡でできています。気泡の形状は連続気泡と独立気泡、2つに分けられます。 連続気泡は、気泡同士が連続的に接触し、膜やチャネル状の構造を形成する現象を指します。例えば、発泡ポリウレタンフォーム(スポンジ)や泡状のゴム製品などでは、気泡が連続的に結合し、多孔質な構造を形成しています。このような連続気泡の構造は、衝撃吸収性や柔軟性を持つ材料を作り出すことに役立ちます。 独立気泡は、発泡品内に個別に存在する気泡です。例えば、発泡ポリスチレン(EPS)や発泡ポリウレタン(PU)などの発泡材料では、ガスがポリマー材料内に閉じ込められた小さな気泡が形成されます。これらの気泡は互いに接触せず、独立しています。そのため水分や空気を通しにくく、気泡の中の空気も抜けにくいです。