浜松商工会議所報ニューイング(2020年10月1日号)に掲載されました。
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浜松商工会議所報ニューイング(2020年10月1日号)に掲載されました。


 医療機器を製造するには、「医療機器製造業許可」が必要になる。許可を取得するには、専用の生産設備や技術責任者が必要なため、中小企業にとってはなかなかハードルが高い。
 しかし、実際の医療現場で使われている機器には、医療機器に属さないものも多くある。今回開発を手掛けた嚥下造影&リハビリチェアもその一例だ。
 同研究会に開発の相談を持ち掛けたのは、リハビリテーション病院の院長・藤島氏。研究会の代表幹事である「橋本螺子」とは、医療機器の製作を通じて以前から付き合いがあった、
 「嚥下(えんげ)」とは食べ物を飲み込んで胃に送る動作のこと。同院では、嚥下機能に障害がある場合、医師の監視下で「嚥下造影検査」というレントゲン検査を実施。検査結果をもとに、チェアの角度やクッションを調整して適切な食事姿勢を診断し、リハビリに役立てている。
 しかし、検査後の姿勢データをリハビリ現場で復元するには、その時間的ロスを解消し、診断時の姿勢データを正確かる効率的にリハビリ現場に反映させたいというのが、藤島氏の要請だった。
 医工連研究会では、メールで会員企業にこの開発への参加を持ち掛け、5、6社が集結。同メンバーで実際のリハビリ現場や長野県の関連メーカーを視察し検討を重ねた。開発のリーダー企業は「ソフトプレン工業」が名乗りを上げ、2018年から本格的に開発に着手。そして、開発方針を次のようにまとめた。
①検査時にチェアの高さを調整する昇降機とチェア本体を分離し、検査用のチェアをそのままリハビリで使えるようにする。
②姿勢を調整するための専用クッション・枕に番号を付け、リハビリ時に正確かつ簡単に再現できるようにする。
 製品の設計は、静岡文化芸術大学デザイン科の元教授・谷川憲司氏に協力してもらい、CADの製作図面を制作。構想段階での試作は、開発グループのメンバーである榛葉鉄工所に加工の協力を仰いだ。そして、本格的な試作品の製作は浜松市内の「試作中村板金」に依頼。完成した試作品は、現在、浜松市リハビリテーション病院でテスト使用されている。今後は現場の声を聞きながら、細かい改善を加えていく予定だ。
現在までの開発費用は、総額約650万円。そのうち、「医工連携スタートアップ支援事業」と「浜松市新産業創出事業費補助金」を利用し、全体の45%は補助金でまかなえた。
 今後は、2021年から藤島氏の紹介販売によるテスト販売を開始。2022年からは量産化に向けてコストダウンを図り、代理店販売も開始する予定だ。
 「今回の開発で、医療現場には医療機器以外のニーズがたくさんあると実感しました。興味ある企業は、研究会に所属すればどんどんチャンスがあると思います」とソフトプレン工業の前嶋氏。量産が実現したら研究会のメンバーに協力を要請し、メイドイン浜松のものづくりで地域産業に貢献したいと意欲を示した。

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